2025年4月にリリースされたInstagramの新機能「地図」が、ユーザーや企業アカウントの間で大きな話題を呼んでいます。
この機能は、リアルタイムでの位置情報共有や周辺スポットの検索を可能にするもので、Instagramの利用シーンをさらに広げるものです。
一方で、プライバシーに関する懸念も浮上しており、適切な設定が求められています。
本記事では、「地図」機能の概要、使い方、ビジネス活用の可能性、そして安全に利用するためのポイントを詳しく解説します。
「地図」機能とは?
Instagramの「地図」機能は、ダイレクトメッセージ(DM)画面の上部に新たに追加された「地図」ボタンをタップすることで利用できる新機能です。
この機能には主に以下の2つの特徴があります。
- リアルタイム位置情報共有
ユーザーは、フォロワーや親しい友達、特定の相手とリアルタイムで現在地を共有できます。例えば、友人との待ち合わせ時に自分の位置を伝えたり、イベント会場で仲間と合流する際に役立ちます。位置情報はInstagramアプリを開くたびに更新され、24時間以上アプリを開かなければマップ上から自動的に消える仕組みです。 - ノートへの位置情報紐づけ
Instagramの「ノート」機能(24時間で消える短いテキスト投稿)に位置情報を追加できます。これにより、例えばカフェでのひとときを「〇〇カフェなう」と気軽にシェアしつつ、具体的な場所をフォロワーに伝えられます。
この機能は、2024年2月に「フレンドマップ」として一部地域でテスト運用され、2025年4月から日本を含む多くの地域で本格展開されました。
若者に人気の位置情報共有アプリ(例:Zenlyやwhoo)に似たコンセプトを持ち、Instagramらしいビジュアル重視のインターフェースが特徴です。
「地図」機能の使い方
「地図」機能を初めて使う際の手順は以下の通りです。
- アプリを最新バージョンに更新
「地図」機能を利用するには、Instagramアプリを最新版(2025年4月時点でバージョン375.2.0以降)にアップデートする必要があります。 - DM画面から「地図」をタップ
DM画面の上部に表示される「地図」アイコンをタップすると、機能の説明ポップアップが表示されます。「次へ」を押すと、位置情報を共有する相手を選ぶ画面に進みます。 - 共有相手を選択
共有相手は「共通のフォロワー」「親しい友達」「特定のアカウント」から選択可能。また、「次のアカウントに表示しない」を選んで特定の人を除外することもできます。初期設定では共有がオフになっており、誤って位置情報が公開される心配はありません。 - ノートに位置情報を追加
ノートを作成する際、ピンのアイコンをタップすると現在地のスポット(カフェや公園など)が提案されます。これを選択して投稿すると、フォロワーに場所付きのノートが表示されます。 - 地図上でスポットを確認
「地図」画面では、現在地周辺の人気スポットやフォロワーの位置情報付き投稿がサムネイル画像とともに表示されます。スポットをタップすると、関連するフィード投稿や店舗情報(営業時間、住所など)にアクセスできます。
使い方はシンプルですが、位置情報の提案が自動的に表示されるため、誤操作で意図せず場所を公開しないよう注意が必要です。
ビジネスにおける活用の可能性
「地図」機能は、個人ユーザーだけでなくビジネスアカウントにとっても大きな可能性を秘めています。
- 店舗集客の強化
飲食店や美容院、観光スポットなどの実店舗は、位置情報付きのフィード投稿を増やすことで「地図」検索に表示されやすくなります。ユーザーが周辺のスポットを検索した際、魅力的な写真と共に店舗情報が表示されれば、来店意欲を高められます。例えば、カフェが「インスタ映え」するスイーツの写真を位置情報付きで投稿すれば、近隣ユーザーの目に留まりやすくなります。 - イベントやキャンペーンの告知
期間限定のポップアップストアやイベントでは、リアルタイム位置情報を使って「今ここで開催中!」とアピールできます。ノート機能を活用して「本日限定セール@〇〇会場」と投稿すれば、フォロワーに即時性のある情報を届けられます。 - インフルエンサーとの連携
地元のマイクロインフルエンサーに店舗訪問を依頼し、位置情報付き投稿をしてもらうことで、地図検索での露出を増やせます。ユーザーのリアルな投稿(UGC:ユーザー生成コンテンツ)は信頼性が高く、アルゴリズムでも優先的に表示される傾向があります。
ただし、企業アカウントでは運用担当者の現在地が誤って公開されるリスクも考慮する必要があります。
例えば、社員のプライベートな位置情報が店舗と誤解される可能性があるため、運用ルールを明確に定めることが重要です。
プライバシーと安全性の確保
「地図」機能の登場に伴い、プライバシーに関する不安の声も上がっています。
X上では「自宅がバレるのでは?」「勝手に位置情報が共有される?」といった投稿が見られ、慎重な設定が求められています。
以下のポイントで安全に利用しましょう。
- 初期設定の確認
「地図」機能はデフォルトで位置情報共有がオフになっていますが、アプリ更新後に初めて「地図」を開く際、共有相手を選択する画面が表示されます。ここで「後で」をタップすれば共有をスキップできます。誤って「シェア」を押した場合でも、右上の設定アイコンから「非表示モード」を選択し、「更新」を押せば共有をオフにできます。 - ノート投稿時の注意
ノート作成時に表示されるピンのアイコンを不用意にタップしないよう注意しましょう。地図付きノートを投稿すると、フォロワーや親しい友達に現在地が表示されます。一度投稿したノートは編集できず、削除するしかありません。 - スマホの位置情報設定
より確実に位置情報を管理するには、スマートフォン本体の設定でInstagramの位置情報アクセスを「許可しない」に設定する方法が有効です。これにより、アプリが現在地を取得できなくなり、誤公開のリスクがなくなります。
iOS: 設定 → プライバシー → 位置情報サービス → Instagram → 「許可しない」
Android: 設定 → アプリ → Instagram → 権限 → 位置情報 → 「許可しない」
- 定期的な設定見直し
複数端末で同一アカウントを運用している場合、端末ごとに初回設定画面が表示されることがあります。アカウント全体で「非表示モード」が反映されるよう、すべてのデバイスで設定を確認しましょう。
「地図」機能を最大限に活かすコツ
「地図」機能を楽しみつつ、効果的に活用するためのコツを紹介します。
- ユーザー視点: 旅行先で気になるスポットを調べる際、地図をピンチイン・アウトしてエリアを調整し、「このエリアを検索」をタップすると効率的です。気に入った場所は「コレクション」に保存しておけば、後で簡単に見返せます。
- ビジネス視点: 地図検索で上位表示されるには、位置情報付きのフィード投稿を定期的に更新し、関連性の高いハッシュタグ(例:#東京カフェ)を活用しましょう。ビジネスプロフィールに住所や営業時間を最新に保つことも重要です。
- プライバシー意識: 位置情報が必要ない場合は、アプリの利用中のみ許可する設定(「このAppの使用中のみ許可」)を選ぶと、バックグラウンドでの情報取得を防げます。
まとめ
Instagramの「地図」機能は、リアルタイムの位置情報共有やスポット検索を通じて、ユーザー同士のつながりや店舗集客を強化する画期的なツールです。
友人との気軽なコミュニケーションからビジネスのマーケティングまで、多様なシーンで活用できます。
一方で、位置情報の取り扱いには慎重さが求められ、適切な設定でプライバシーを守ることが不可欠です。
この機能はまだテスト段階の側面もあり、今後さらなる改良や新機能の追加が期待されます。
ユーザーとしては、最新情報をチェックしつつ、自分に合った使い方を見つけてみましょう。
安全に設定を整えれば、「地図」機能はInstagram体験をより楽しく、便利にしてくれるはずです。